2016年 12月 23日
万家墨面没蒿莱 無題 魯迅 |
無題 魯迅
万家墨面没蒿莱
敢有歌吟動地哀
心事浩茫連広宇
于無声処聴驚雷
無題
万家 墨面して蒿莱に没す、
敢て歌吟の地を動して哀む有らん。
心事 浩茫として広宇に連なり、
声無き処に于いて驚雷を聴く。
一九三四年五月三十日、上海来遊の新居格氏に書いて贈ったもの。
戦争のために、無数の家は廃墟と化して雑草の中に埋没し、
人々は苦痛のために面に墨を塗ったように黒く痩せてしまった。
しかも反動政府は一向にそうした人民の苦しみを哀れんでくれよ
うともせぬ(昔、周の穆王は大吹雪の中で『黄竹歌』を作って
人民の凍餓を悼んだというのに)。私は無限に遠いかなたに思いをはせて、人民の声なき声に耳を傾ける。今にきっとその声無きところから、大地を動かす大雷音が聞こえくるであろう。
魯迅選集 12巻 松枝茂夫 訳 岩波書店
万家墨面没蒿莱
敢有歌吟動地哀
心事浩茫連広宇
于無声処聴驚雷
万家 墨面して蒿莱に没す、
敢て歌吟の地を動して哀む有らん。
心事 浩茫として広宇に連なり、
声無き処に于いて驚雷を聴く。
一九三四年五月三十日、上海来遊の新居格氏に書いて贈ったもの。
戦争のために、無数の家は廃墟と化して雑草の中に埋没し、
人々は苦痛のために面に墨を塗ったように黒く痩せてしまった。
しかも反動政府は一向にそうした人民の苦しみを哀れんでくれよ
うともせぬ(昔、周の穆王は大吹雪の中で『黄竹歌』を作って
人民の凍餓を悼んだというのに)。私は無限に遠いかなたに思いをはせて、人民の声なき声に耳を傾ける。今にきっとその声無きところから、大地を動かす大雷音が聞こえくるであろう。
魯迅選集 12巻 松枝茂夫 訳 岩波書店
by Ygongitune
| 2016-12-23 16:37
| ゴンギツネの回想